サッカーと人種差別

先日、スロバキア・リーグで日本人選手が人種差別を受け帰国を余儀なくされたとのニュースが流れました。ヨーロッパに限らずサッカー界では人種差別の問題が長い間取沙汰されていますが解決には至らず、また今後も相当な時間と労力が必要とされるでしょう。ロシアでも人種差別、スタジアムでの暴力というのは深刻な問題でした。チームのサポーターというよりも暴れる事を目的とした右派スキンヘッド・グループは取り分け危険で深刻な状況を引き起こしていました。

 

2002年日韓W杯の日本ーロシア戦でのロシア敗戦の直後は彼らによりモスクワ中心部が破壊される等、当時はスタジアムに関係なく様々な事件があり多くの人が犠牲になった程です。

私が当時練習の為にスタジアムに行くと、試合日ではないにも関わらず警察とフーリガンの衝突があり、またそれは稀な事ではありませんでした。

 

ここ数年は取り締まりの強化により見違えるほど安全になってきましたが、ロシアという国が様々な人種で形成されている事や複雑な社会背景、また国内での外国人が起こすトラブルや素行の問題があるというのも事実であり、彼らの不満というのは潜在的に常にある状態ではあります。

最近はスタジアムでスキンヘッド・グループを見る事はないですが、過激なサポーターの問題は他国と同様なくなりません。昨年ではユーロでのロシアサポーターの暴力事件やディナモ・モスクワ練習場での選手への襲撃事件等があります。国内リーグでの強烈なライバル関係にあるスパルタク・モスクワーゼニト・サンクトペテルブルグ戦やチェスカ・モスクワ戦は席に着くまでに6、7回のボディーチェックや荷物チェックがあり、警察や軍隊の配備もスポーツの試合とは思われないものがあります。サポーターによるチャントも西ヨーロッパとは違う迫力があり、その緊張感とあわせて独特の空気を生み出しています。

 

人種差別というのはサポーターだけでなく当然クラブ内でも起こり得る問題で、強靭なメンタルと少しのチャンスも逃さない準備は不可欠でしょう。